日本人の宗教観〜信仰を必要としないという国民性について

日本は様々な文化を取り込みながら変化をしています。
日本らしい正月や、異文化であるクリスマスでさえも日本の行事として定着してきています。
それは日本人の多くが無宗教であることも大きく関係しています。
海外では宗教間の争いが絶えず行われ、日本人の考え方に注目を集めています。
宗教に大きな必要性を感じていない日本人は果たして良なのか…
宗教や信仰、日本人の国民性について詳しく調べてみました。
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日本人の多くが無宗教!?信仰の必要性
日本人に宗教を尋ねると、多くの方が「無宗教」と答えます。
しかし、振り返ってみると、12月25日はクリスマスだといって、ごちそうを食べたり、ケーキを食べたりしてお祝いします。
年が明ければ、神社に初詣をし、お仏壇に灯明をあげます。
これらを順番に書くと、クリスマスはキリスト教で祝い、初詣に行きますが、これは神道。
灯明を上げるのは道教です。
年末年始の僅かな間に3つの宗教的儀式を行ってなお「無宗教」といいます。
このことに対して、私達日本人の多くは違和感を感じません。
評論家の山本七平氏は、このことについて、「日本教」という言葉を用いました。
仏教であれ、儒教であれ、キリスト教であれ、日本に入ってきた際、排除されるでもなく、戒律や規範が取り払われ、その殆どが変化して受け入れられてきたというのです。
そのため、日本人は、特定の宗教を指して振る舞うのではなく、それら全ての宗教を柔軟に取り入れた「日本教」信者として振る舞うのです。
本当に信仰は必要か?日本人と宗教
日本人の多くは宗教と言いますと、お葬式などの死を連想することが多いです。
それは、日本人が宗教を死の問題解決に使ってきたからに他なりません。
現代人にとって、宗教は、神秘的なものと言うよりは、日常的なものであり、世間的に充実した生活をおくるための手段であると言えましょう。
『宗教の深層』で、阿満利麿さんは日本の宗教の源流を求めて沖縄などを旅します。
そして柳田や折口のたましい論、先祖教について論じ、さらに宗教意識の世俗化を本居宣長に見ていきます。
(この本が書かれた1985年では「日常的意識ととびはなれた神秘感をともうこともなく」ということだったかもしれませんが、現在はそうではありません。神秘現象、超常現象に対する関心が深くなっています。)
本居宣長は、宗教について、私達現代人が宗教に求めるような救済型宗教について説いています。
既成の宗教は否定し、非科学的な話でない中で、自身の死に対する思いや親しい人の死に対する心理的慰めを求めるのが現代人であり、その手段を宗教に求めています。
信仰が争いの原因に…必要とされる日本人の宗教観
日本以外に目を向けてみますと、宗教が原因で戦争にまで発展するような争いごとがしばしば起こっています。
日本でも様々な宗教が信じられていますが、戦争はおろか、争いごとが起こるようなこともありません。
宗教を信じることによって、安心感を持って充実した人生を送ることが目的であって、他者を罵り、争い事をしていては本末転倒です。
宗教とはあくまで安心感を提供する手段です。
それでもこのような争いごとが起きるのは、盲目的に教義を守ろうとするあまり、他者は排除しようとする方向に意識が向いてしまうからです。
日本では、教義を信じつつも、他者を排除しようとする動きは見られません。
それぞれの宗教を信じる人を尊重して、お互いがそれぞれ平和で安心感を持って生活をしているため、海外のように、宗教が原因となるような争いごとが起こるようなことはありません。
そういった意味で、日本人の宗教観を海外に発信する必要性があると考えられます。
宗教の必要性を感じていない日本人への意見
日本人はどちらかという「無宗教」と言われますが、クリスマスや初詣と言った宗教的行事は柔軟に取り入れています。
そのことについては、アメリカやブラジル、メキシコから次のような声が届いていますので、その談をご紹介します。
ブラジルからは、特定の宗教を信仰する必要性を感じず、神は信じるし祈ったりもしますが、それが全てだと言って実践するのには違和感を感じます。
そもそも、戦争や偏見は宗教が原因で起こっています。
もちろん、宗教を信仰してる人を否定してるわけではありません。
日本人の宗教観は理想的だと思います。
メキシコからは、現世の先に世界があると信じているけども、カトリック教徒としての信仰をしないのは、それ以外の道を認めないところが納得出来ないためです。
神を信じていても悪いことをする人もいます。
アメリカからは、日本人が神社やお寺で拝んでいるのは、宗教というよりは、文化的営みという感じがします。
海外では総じて特定の宗教に熱心な方が多い印象ですが、どちらかというと「無宗教」といわれる日本の宗教感に対して好意的な声も聞かれます。
宗教の必要性は…日本人と信仰について
日本人が無宗教だということには、次のような幾つかの理由が考えられます。
1.日本では、古来から八百万の神を崇める独特の宗教観があります。
人はもちろん、様々な物にも神様は宿っているという発想です。
釈迦もキリストも日本では神様として考えられます。
このことは、芥川龍之介著「神神の微笑」に記されています。
2.日本人には、「和を持って尊しとする」という意識があります。
これは言い換えれば、「怨霊」を発生させないための「和」への信仰と言えます。
特に神道は「怨霊」を抑えるための道具とされました。
そのため、他は認めないという宗教は、「和」の精神に反するため、日本ではあまり受け入れられません。
3.時代ごとの国の宗教政策による理由も挙げられます。
江戸時代には、檀家制度により、日本国民は強制的に仏教徒になりました。
そのため、仏教者は檀家獲得のための努力が不要になり、葬式仏教化して堕落しました。
明治から昭和初期にかけては、神仏分離令・国家神道政策のため、日本国民は強制的に神道を信じるようにされ、廃仏毀釈・僧侶の還俗・修験道の廃止などが行われ、日本の宗教感は激変しました。
4.昨今のマスメディアの報道によって「宗教および宗教教団は恐ろしいもの」という意識が植え付けられた事で、宗教の話題を避けるようになっています。
また、第二次世界大戦において、日本では士気を高めるために神道を利用したり、海外では宗教が原因で悲惨な戦争が繰り返されたり、カルト教団の社会的犯罪のニュースなど、悪い面の報道ばかりが目立ちます。
これらのことが理由で、日本では特定の宗教を信仰する方が少なく、「無宗教」であると言えます。